今回の記事は運動指導の現場でも特に訴えの多い「腰痛」に関する内容です。
日々クライアントに向き合いパーソナルトレーニングをしているトレーナーの皆様!
評価なしに「〇〇の筋肉が弱いから鍛えれば大丈夫ですよ!」とか言ってませんか?
ひょっとしたら、その行為はクライアントの人生に関わる危険な行為かも、、、ということを知ってほしいです。
知っておきたい腰痛のレッドフラッグ
レッドフラッグス(Red flags)=「見逃してはいけない疾患を示唆する徴候や症状」です。
腰痛のほとんどが原因不明と言われており、誰にでも起こりうる症状のひとつです。
そのため軽視されがちで、しばらく時間が経てば治るからと受診をしないこともしばしばあります。
しかし、パーソナルトレーナーが指導現場で「腰痛」を訴えるクライアントに出会った時、「腹筋が弱いからですね」なんて決めつけで、セッションを始めることは言語道断です。
腰痛のレッドフラッグス一覧
- 下肢に痺れや麻痺がある
- 20歳未満か55歳以上
- 激しい外傷歴(転倒したなど)
- 側臥位になっても痛みが緩和しない
- 胸も痛みがある
- ガンの既往がある
- 長期間ステロイド治療をうけている
- 免疫抑制剤の使用、HIVの既往
- 全身的な体調不良
- 体重減少
- 背中を叩くと痛みが強い
- 発熱 等
これらがレッドフラッグスとなります。
まずはトレーナーはカウンセリングやトレーニングの前段階で、これらの項目に当てはまるものがないかチェックしましょう。
上記に当てはまる場合はパーソナルトレーナーの領域ではないので、すぐに専門家にバトンを渡し
自分の対応できる領域でクライアントの成果と向き合いましょう。
パーソナルトレーナーが現場で実施できるテストとしては
SLRテストやFNSテストなどが挙げられます。
SLRテスト→L5~S1のヘルニアが疑われます。
FNSテスト→陽性ならL4より上のヘルニアが疑われます。
その他にも神経因性の腰痛なら、足趾の触覚テスト(靴下を履いているような感覚がないか)や膝関節伸展の筋力テスト、膝蓋腱反射のテストがあります。
まとめ
腰痛を持つクライアントに出会ったり、既存のクライアントがある日腰痛を訴え出した場合に
パーソナルトレーナーが対処できる領域かどうかを判断することが大切です。
もしも安易な判断で「腰痛があるので、腰を避けて運動しましょう」とか「体幹を鍛えて強くしましょう」といった指示や指導をした場合、重篤な疾患のサインの発見が遅れてしまうかもしれません。
パーソナルトレーナーは国家資格がなくても、人の体、健康に関わることが出来る仕事です。
最低限の知識を身につけ、パーソナルトレーナーとしての価値を高めていきましょう。